材料が揃ったら実際に刺してみよう
刺し子の材料、布・糸・針が手元に揃ったら、さっそくチクチクしていきましょう。
今回は十字花刺しのコースターサイズの布で、刺し方の一例をご紹介します。
説明の大まかな順序は以下です。
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1布にアイロンをかけ、端を縫って仕立てる
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2タテ・ヨコ・ナナメの順で刺す
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3水洗いして図案を消し、乾いてから布を綴じる
布を仕立てる
(下記の作業は、仕立て方の一例です)
図案プリント済の布で広げて折りジワがある場合、蒸気や熱で図案が消えないか確認の上で、軽くアイロンしてもいいとおもいます。
仕立て前に折り目をつけるため作り方にアイロンをかけるよう書いてあるメーカーもあります。
色々な仕立て方法がありますが、袋状に端を縫って裏返す方法で仕立てます。
プリント面を内側にして、図案の外を布晒と同じ色の糸で縫います。角ははさみで少しカットしておくときれいにひっくり返しやすいです。
4辺のうち3辺を縫い、ひっくり返すとこんなかんじです。(写真の上の部分はまだ縫っていないので袋状です)
織物の布の両端は「耳」とよばれ、 織りの横糸が折り返しておりほつれません。一番手っ取り早い仕立ては、この耳の部分をそのままにして、布が断裁された箇所(4辺のうちの1辺)のみを中表で縫って輪のようにし、ひっくり返す方法かと思います。
刺しはじめ
いよいよ刺し始めです。
糸のはじまりと終わり
刺し始めはかぶせ縫いとすくい縫いで紹介されている作り方マニュアルが多いです。
オリムパス:刺し始める3針先の布裏から針を入れて小さい目で3針刺し、その上を3針かぶせて刺しながら進みます。刺し終わりは針を裏に出し、表目より少し小さな目で表に出ないように布だけをすくいながら3針刺します。
ホビーラホビーレ:刺し始めと刺し終わりはそれぞれ3針重ねて刺し、布のきわで糸を切る(玉止めはしない)
ですが、今回は初心者がラクにできる玉結びでやってみます。
袋状の布から外に向けて針を刺すと、布の内側に玉止めができるので完成時にさほど目立ちません。そのため1辺は最初は閉じずにそのままにしておいてます。
かぶせぬいは、
裏の布だけ重ねて表には針を通さないと太くならない
3目ではなく1~2目だけかえす
などの方法もあるので色々試してみてもいいかもです。
どこから刺し始めるのか
説明書では、四角い外枠のガイド線を最初に刺す、と書いてあることが多いですが、わたしはいつも最後に刺しています。(玉結びや玉止めをしやすいし、かくしやすいから)
インスタなどで他の上手な方の刺し方をみても、枠を最後に刺される方が結構いらっしゃるので、最初に刺さなきゃいけないわけでもなさそうです。
仕上がりに特に差はないように思いますし、わたしの場合はむしろ最後に刺した方がきれいに仕上がります。
なのでいきなり①のタテに刺すにいっちゃいます。
①タテに刺す
タテに刺していきます。
表 | 裏 |
糸をひっぱりすぎて布が縮んだり、糸が余ったりしないように糸をしごきながら布が歪まないよう気を付けてさしていきます。
布の端まで刺し進めたら、糸をしごく(糸こき)を忘れないようにしましょう。
隣の段にうつるときに針をナナメに刺す場面があります。この時布と布の間に針を通すと、裏にナナメの糸が現れず、スッキリ見えます。
図案によって、裏に糸が長く渡るデザインの時も、布の間に糸を通す方法が好まれます。
②ヨコに刺す
タテと同じようにヨコも刺していきます。
次の段にうつるときのナナメに糸が渡るところで布の間を糸を通すと裏もきれいな十字になります。
表 | 裏 |
③ナナメを刺す
ナナメに刺すと布が伸びやすいのですが、最初にタテとヨコを刺しておくと、布がしっかり固くなり、ナナメを刺しても伸びにくいです。
ナナメは右と左どちらから刺しても問題ないです。メーカーさんの作り方だと、右ナナメを刺し終わったら左ナナメ、みたいに解説されているのですが、右ナナメで図案の端まできたら、そのまま角度を変えて左ナナメに刺していき、一筆書きみたいにして全部のナナメを埋めております。ちょっとしたパズル。
ナナメ1 | ナナメ2 |
ガイド線をすべて刺したら模様は完成します。
布を手洗いし干して乾かします。一部メーカーの例外を除いて、ぬるま湯だけでもプリント図案は落ちてきれいになるので、洗剤や漂白剤は不要です。
漂白剤は糸の色落ちの原因になるので、刺し子布が汚れてもお洗濯では使わない方がいいです。
絞るとシワシワになるのでガイド線が消えたらタオルなどで挟んで晒布の水分を取り、陰干しします。(色糸は日光に当たると退色します)
乾いたら、袋状になって開いている最後の1辺を白い縫い糸で閉じます。(コの字とじがおすすめです。詳しくは別ページで)
応用 十字花刺しアレンジ
初心者向けではありませんが、今回応用としてアレンジした例を掲載させていただきます。
あえて全部を刺さず、十字だけの模様も残してみました。
さらに、真ん中の模様と外側のいくつかに同じような赤い糸(ラメ糸)でアレンジをいれていきます。
外周のガイド線を刺す
模様が全部刺し終わったら外枠をガイド線に沿ってぐるっと一周刺します。(今回の写真の例では、デザインに思うところがあって外枠は刺しませんでした)
表 | 裏 |
布を水洗いして図案の下書きを消す
アレンジなしの場合はすべて刺し終わった段階で、温水等で布をやさしく手洗いし、図案プリントを消します。
乾いた時に布が歪んでいるようであれば、スチームやあて布をしながらアイロンをかけてもよいです。(糸がつぶれないよう注意)
今回の十字花刺しアレンジについては、すでに刺した模様を基準に刺せるものなので、ガイド線を消して布が乾いてから再度模様を入れていきました。
(ラメ糸は扱いが難しく、キラキラ糸が摩擦で切れたり布から飛び出してきたりします。水濡れも避けた方がよさそうなので乾いてから追加しました)
最後の一辺を綴じる
晒の4辺のうちの1辺が開いている袋状なので、最後の一辺を綴じたら完成です。(おすすめのコの字とじは、また今度ご紹介します)
少々形がいびつになってしまいましたが、完成です!
裏と表、両面で玉結びと玉止めはでていないので、見た目すっきりです。
今回は大きさが手ごろだったため、当ページではおすすめしないダイソーさんの刺し子布パック(コースター)を使いましたが、丈夫なシーツみたいな生地でとにかく布が固く指が痛くなりました。
ダイソー刺し子布の良かった点は、生地がしっかりしていて布にハリがあり、刺し子してもヨレにくいこと。
中に入れた玉結びや玉止めが透けにくいことです。
ずっとストックされていたダイソーコースターキットをこれで使い切ることができました。
この固さをもう一度刺すのはムリなので、ダイソーさんにはできるなら布を改良してほしいです。
晒はやわらかく、針が刺しやすいものが良いですね。
今回は、アレンジ図案をエクセルであれこれ考えて作ってみました
おまけ
なんか絨毯ぽい模様になったので、すみっコぐらしの食玩おもちゃを並べたときの絨毯にしてみました。